結婚して十年以上経つ人妻

だから、あまり変わっていないと思って、「二十日ネズミではなくて、三十日ネズミじゃないのか」というと、はじめて、ハハハ と陽気に笑って、「サラリーマンの妻って、みんな三十日ネズミね。一寸、今の冗談でハズミが出てきたわ。ありがとさん。さようなら:::」こっちは、キツネにつままれたってことだよ。一体、なんのために電話をかけてきたのかわからない。おれが偶然に、電話の傍にいたのでよかったけれど、女房がいたなら 子はどういう話をするのだろうか、助手がいたなら、子供が出たならと考えると、たしかに人生は、ハズミでどうなるかわからないなあと思ってしまったもんだよ。ハズミは育てていくものなのさそういえば、いつか、女房のやっているラジオの人生相談に一週間だけ引っ張り出されたことがあった。その時の相談のひとつにアプリ 出会 を使って、結婚して十年以上経つ人妻が、ふとしたきっかけで、結婚前に恋い慕っていた男と会い、=一ヵ月に一度の割りで、お互いの家庭には内緒で一泊旅行するのだが、まだ、手を握り合うこともないというのだ。「この男性をどう考えればいいでしょうか」と虫のいいことをいうのだ。先ず、女房が答えて、「そんな関係はやめた方がいい」といったんだな。次に、おれが答える番になったんだが、でき「馬鹿な男だね、そいつは:::。おれだったら、関係てるよ」というと、女房は、「男の人のロマンじゃないかしら:::」などというんだなあ、これが。おれは、おかしくなったねえ。男と女が、それも結婚して十年以上経っている二人が、同じ部屋で寝ていて、なにもなくて、それを女は不満に思って相談しかけてくるわけだ。そんなこと、相手になってられるかねえ、実際。ハズミの土台をつくって、ハズミを待っていて、ハズミにならない男のことを相談されても、おれは知らんよ。もっと、ハゲミをもたなきゃいけないんじゃないですかねえといってやりたかったなあ。だが、女ってやつは、ハズミを待ちこがれているのはどういうことなんだろうなあ。ハズミが見えすいている女ほど、いやな女はいないからなあ。おれの行くパーにも四十四、五の女流の 道家の先生が一人で来て、ハズミをつくろうとしているんだなあ。いやだねえ。醜態だよなあ。自分は知性があって、美貌だと思ってやがるんだなあ。上品ぶった言葉使っているくせに、自には淫乱の色うかべているんだよ。ハズミを待つ女は、ハズレを食うということだよ。ハズミというのは、待っていても来ないものなんだよ。